新青土地コーポレーション

宅建免許番号 東京都知事(1) 第109818号

借地権は売却できる? 注意点や手順・売却方法をくわしく解説

資産としての借地権・底地を最大限に活かすために 借地権者側も地主側も 笑顔になれるコンサルティング 借地権や底地の売却・相続・更新・地代の問題解決なら弊社まで

「借地権付きの物件を相続した」

「借地権付きの家から引っ越ししたい」

「地代や更新料などの維持費の支払いが苦しくなってきた」

 

このようなとき、気になるのが建物についている借地権を売却できるのか、という点です。

結論からいうと、借地権の売却は可能です。

ですが、覚えておくべき注意点がいくつかあります。

 

借地権の基礎知識や売却する場合の注意点、手順や売却方法を、くわしく解説いたします。

 

借地権とは

借地権とは、土地を持たない人が家や建物を建てる際、土地の所有者である地主から一定期間、建物の所有を目的に土地を借りて使用できる権利です。借地権の設定契約をしてから建物を建てる場合もあれば、はじめから借地権付きの建売住宅として販売されている例もあります。

 

借地借家法という法律で定められた権利の一つで、土地の固定資産税や都市計画税といった税金を払わなくても良い、土地の所有権がついた物件に比べると安く購入できる、といったメリットがあります。

 

一方で、地主に対して支払う地代が必要、地代が上がる可能性がある、銀行の融資が受けづらい、契約内容によっては借地権(建物含む)の売却、建物の増改築(大規模修繕含む)の際に地主の許可が必要、といったデメリットもあります。

 

借地権の種類

借地権には、地上権と賃借権の2種類があります。それぞれの違いをチェックしてみましょう。

地上権

建物を所有するために、土地を使用する民法265条に定められている権利を「地上権」といいます。土地の使用方法は、権利者が自由に決定でき、地主の許可が無くても借地権(建物含む)の売却、転貸(さらに第三者へ貸すこと)、抵当権の設定ができる、という点が特徴です。

 

地上権を有する権利者は、土地の上にある建物だけでなく、地下や建物の上の空間についても利用できるよう、契約により定めることができます。

 

法律では、「物権」と呼ばれる非常に強い権利を持てる一方で、法律で自動更新(法定更新)が保証されている賃借権とは違い更新についての定めがないため、更新料が請求できない等のデメリットもあります。

 

賃借権

借地権契約のほとんどを占めているのが賃借権です。賃借権は、建物の所有を目的に、土地を借りる権利で、法律では「債権」と呼ばれる弱い権利の一つです。賃借権で建てた物件は、勝手に譲渡・売却ができず、かならず地主の許可が必要です。

 

抵当権についても、建物のみへの設定となり、借地権の部分は含まれません。

 

住居として土地を借りる場合、借地借家法で更新が保護されています。そのため、契約期間満了を理由に、立ち退くように言われる、という心配はありません。

(期間が決まっていて、延長できない契約は、定期借地権と呼ばれます)

 

土地を借りている間は、決められた地代がかかるため、土地付(所有権)の建物を購入するよりも、所有期間によって維持費が高く(長期の場合)なったり、安く(短期の場合)なったりするケースがあります。

この辺りはご自身のライススタイルに合わせて選択するのが良いでしょう。

 

借地権は売却できる?

定められた地代を支払い、借地権を得た土地に住み続けているうちは良いのですが、なんらかの事情で、建物を手放したり、住めなくなったりするケースがあります。このような場面で頭をよぎるのが「借地権を売却できるかどうか」という点です。

 

多くの場合、家を建てたり、借地権付の建物を購入するタイミングで、その物件を取得するために銀行から融資を受け、必要な代金を支払います。

 

借地権の購入代金を現在もローンで支払っている場合は、手元の資金で一括完済する、もしくは借地権の売却残金を返済原資にしてローンを完済するという方法があります。

 

また、財産価値のある借地権は当然売却が可能ですが、売却するには地主の承諾が必要となり、これが借地権売却の要となります。

 

地主に対し借地権売却について承諾してもらえるよう打診した結果、地主が売却について承諾してくれなかったり、売却が事実上困難となるような条件を提示されたりといったトラブルが発生しがちです。スムーズに売却を進めるなら、借地権売却にくわしい第三者の力を借りるのも良い方法です。

 

こちらの記事も合わせてご覧ください

借地権て売却できるの?5つの方法についてやさしく解説します。

 

借地権売却が検討される5つのケース

借地権売却を検討する理由は、主に5つあります。どのような場合に、借地権売却が考えられるのか、メリットがあるのか、くわしくみてみましょう。

 

1:建物が老朽化している

土地を所有しているのは地主でも、建物の管理に必要な費用は、建物の所有者が支払います。マイホームを建てたり、借地権付きの住宅を購入したりして数十年が過ぎると、建物が傷み、さまざまな部分の修繕が必要になる可能性があります。

このとき、老朽化した住まいの修繕費や、建て替える場合の価格などを考えると、借地権を売却した方が良いケースもあるでしょう。

 

2:地代や更新料の支払いが苦しい

借地権付きの建物は、契約によって定められた地代や20年ごと(堅固は30年)の更新料が必要です。定年を迎え地代や更新料の支払いが苦しくなったり、地代の値上げを告げられて支払うのが大変になったり、という場合、借地権の売却を検討する必要があります。

 

3:借地権付きの建物を相続した

借地権付きの建物を親などが所有していた場合、相続で引き継ぐケースがあります。相続した家族は既にマイホームを所有しているため借地権が必要ない場合や、相続人間で相続財産を売却して金銭で分ける場合など、借地権の継承が難しい場合は借地権の売却を検討する必要があるでしょう。

 

4:引っ越しの予定がある

転勤や転職などで住む場所が変わったり、家族構成に適した間取り・エリアへの転居を考えていたり、という場合、建物に住む人がいなくなるため、借地権の売却が検討されます。

 

5:資金を調達したい

事業や過程の事情でまとまったお金が必要なとき、借地権を売却して、現金化する場合があります。

このように、借地権の売買契約を考える理由は、人によって違います。次に、借地権を売買する、具体的な方法を紹介いたします。

 

借地権売却のメリット・デメリット

借地権の売却には、メリット・デメリットがそれぞれあります。良い点と悪い点を知った上で、売却するかどうか、検討してみましょう。

 

借地権を売却する3つのメリット

借地権を売却すると、主に3つのメリットがあります。まずは、売却で得られる利点を紹介いたします。

メリット1:資金を早期に調達できる

借地権付きの建物は、所有権付きの建物と比較して、手頃な価格で購入できます。土地の固定資産税の支払いも必要ないことから、早期に買い手がつきやすい、という点がメリットです。

 

メリット2:地代や維持費の支払いがなくなる

借地権を売却すると、今後の地代や更新料等の維持費の支払いがなくなります。地代が上がっていて支払いが辛い、建物が老朽化してきて維持費がかかる、という場合は、高額な支払いから解放されます。

 

メリット3:相続問題の解決につながる

親が購入した借地権付き建物を相続する場合、分配の方法などでトラブルになるケースがあります。借地権の売却を選べば、売却益を決められた配分で分けるだけのため、スムーズに話を進められます。

 

借地権を売却する3つのデメリット

借地権売却には、デメリットもあります。事前にマイナス面を考慮した上で、対策を整えておきましょう。

デメリット1:承諾を得られない場合がある

地主が借地権売却に応じてくれず、諦めるしかなかった、という例です。そんな時は、なぜ地主が借地権売却に応じてくれないかという理由を確かめましょう。

私達が地主とこれまで話をした経験では、「地主自身が借地権を買い戻したい」や、「地主の権利(底地)と借地権を一緒に売却したい」、「等価交換をしてお互い所有権にしたい」という希望を持たれている方がおり、借地権だけ売却されても困るという理由から売却を認めたくないという事をおっしゃっている地主がおられました。

 

このような場合は、不動産会社や仲介業者によるアプローチが有効です。豊富な経験を活かし、まずは地主が自身の土地(底地)について将来どうしていきたいかという目線でお話を聞くというプロセスが非常に重要だと考えます。

 

デメリット2:低価格でしか売れなかった

借地権を売却したけれど、思っていたよりも低価格だった、というケースです。売却したお金で新しい家を購入したり、事業資金に充てたり、といった目的がある場合は、複数の不動産会社・仲介業者で見積もりを取り、納得いく価格を提示して貰える業者を選びましょう。

 

デメリット3:売却後の住まいが必要

今住んでいる家の借地権を売却した場合、事前に次の住まいを探しておく必要があります。売却益を元手に、次の家の契約を考えている、という場合は、賃貸物件の契約・引っ越し費用が発生する場合もあります。売却後のスケジュールも考慮の上、手続きを進めていきましょう。

 

借地権を売却する方法5つ

借地権を売却したい場合、主に5つの方法で取引を進めます。どのようなプランを検討できるのか、くわしくみてみましょう。

1:地主に売却する

借地権や建物を地主に売却する場合、土地(底地)の所有者が権利者となるため、借地権という権利自体が消滅します。地主が借地権の買取に応じて貰える場合は、もっともスムーズに話を進められる方法です。

 

一方で、売却金額や建物をどうするのか、という条件でトラブルが起きがちです。地主側が、土地や建物を活用する予定がある、という場合は良いのですが、そうでない場合は地代が得られなくなる、デメリットがあり、交渉に難色を示される場合があります。

 

地主から更地にしてから戻すようにと言われた場合、高額な解体費用が発生するケースもあり、借地権の売却金額で解体費が払えない事が起きないよう、地主との条件交渉は慎重に進める必要があります。

 

2:不動産会社に売却する

不動産会社は、借地権の査定や売買に慣れているプロフェッショナルです。買取だけでなく、地主との交渉も依頼できます。地主との話し合いが上手くいかない場合は、借地権に詳しい専門家を頼ってみてください。

 

地主は解体を希望していたけれど、不動産会社の強みが活かされ、そのままの状態で借地権を売却できた、という事例もあります。

 

不動産会社や仲介業者、個人など、地主以外へ借地権を売却する場合、譲渡承諾料として、借地権価格(又は実際の売買価格)の10%程度を地主へ支払うのが一般的です。譲渡承諾料の金額、相場を適正に見積もるために、複数の不動産会社・仲介会社で比較検討してみましょう。

 

3:仲介業者に相談する

借地権の買い手を仲介業者に探して貰う方法です。仲介業者が買い取るのではなく、あくまで売主と買主の仲介(媒介)として土地や建物を探している人へアプローチして借地権の買主を探してもらいます。

 

個人をターゲットに借地権の売却を進めるような場合は、不動産会社の買取とくらべ時間がかかるケースが多い点も覚えておきましょう。

 

4:等価交換後に売却する

土地(所有権)の上には、借地権者が売却を検討している借地権と、地主がもつ底地権があります。この底地権の部分と借地権の部分を、同じ価値になるように交換するのが、等価交換です。

 

仮に100坪の土地があり、借地権割合が6(借地権):4(底地権)であれば、借地権者が60坪、地主が40坪という割合で敷地を分割(分筆)し分け合います。

 

面積で分け合った土地は互いに所有権を得ている状態となるため、それぞれが自由に売却できます。交換後の土地が狭い場合は、等価交換により需要が減ってしまうケースや、最低敷地面積の定めがある地域の場合は等価交換した事により建物が建てられなくなってしまう事もあるため、事前に都市計画や建築基準法等について調べる必要がありため注意が必要です。

 

5;底地権と借地権をセットで売却する

地主と交渉して、底地権と借地権をセットで売却する方法です。所有権を売却するのと同じ事となるため、借地権単体での売却にくらべ高値で売却出来る可能性が高く、また買い手もつきやすい点がメリットです。地主が土地を手放しても良いと考えている場合は、セットでの売却を検討してみましょう。

 

トラブルを未然に防ぐために、どのような方法で売却するのか、売却益をどのように分けるのか、といった点を売却活動をする前にくわしく決めておくと安心です。

 

借地権を売却する手順

借地権の売却を決めたら、正しい手順で進める必要があります。スムーズに売却できるように、流れをたしかめておきましょう。

 

手順1:借地権の相場を調べる

借地権の相場を理解していないと、地主に買い取って貰う場合も、不動産会社に依頼する場合も、安く買い叩かれてしまう恐れがあります。借地権売買に強い、複数の不動産会社に相談して、相場を調べておきましょう。

 

手順2;地主の意向を聞く

地主に借地権の売却を検討している旨を伝えます。売却を承諾して貰えるかどうか、承諾して貰える場合の条件や希望の方法などを、聞いてみましょう。

賃借権扱いの借地権は、地主の承諾なしでは、売却できません。自分での交渉が難しい場合は、査定をお願いした不動産会社に、条件交渉や地主の意向確認を依頼しましょう。

 

手順3:売却方法・売却先を検討する

地主の承諾が得られたら、双方が希望する売却方法、売却先を検討・決定します。不動産会社や仲介業者に依頼する場合は、ホームページやSNS、店舗窓口など、さまざまな方法で買主を探して貰えます。業者に依頼する場合は、これまでの売却実績なども、たしかめておきましょう。

 

手順4:契約を結ぶ

売却先が決まったら、相手と正式に契約を結び、書面を交わします。不動産会社や仲介業者に相談している場合は、書面作成もお願いできます。借地権の売買契約後、地主から「借地権譲渡承諾書」を受け取り、引き渡しに向けて進めましょう。

 

手順5:建物所有権の移転と買主との借地契約

借地権付きの建物ごと、第三者へ売却する場合、「建物の所有権移転登記」が必要です。売主と買主が共同で作成するのが原則ですが、司法書士へ委任するケースが一般的です。

また、売買の残金を授受する時に上記建物の所有権移転登記と合わせ、買主と地主間にて新たな土地賃貸借契約の締結をします。

 

まとめ

借地権は、地主から借地権の売却について承諾が下りれば、売却可能です。少しでも高く売却したい、地主とのやりとりをスムーズに進めたい、という場合は、多くの借地権相談に携わっている、専門業者に相談してみてください。

 

建物のあるエリアや環境、時代のニーズによって、借地権の売却額や適した活用法が変わります。一つ一つの土地、建物の価値をていねいに査定して貰える業者、借地権者と地主、双方の気持ちを大切にしてくれる業者を選んで、スムーズな売却につなげましょう。

 

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