新青土地コーポレーション

宅建免許番号 東京都知事(1) 第109818号

『相続をした借地権が再建築が出来ない土地でした。売却する事はできますか?』

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『相続をした借地権が再建築が出来ない土地でした。売却する事はできますか?』

 

目次
1 相談内容
1-1 建物を建築するためには道路が必要です
1-2 借地権単体で売却可能か
1-3 問題点の整理
2 売却方法の提案
2-1 地主への打診
3 底地と借地権の同時売却について
3-1 売却額の分け方について合意しておく
3-2 不可分一体の契約とする
4 まとめ

 

1 相談内容

母の借地権付建物を相続したのですが、建物が築58年と古く老朽化も進んでお

り、台風などで近所の方に迷惑がかかってしまうのではないかと不安なため、売

却をしたいと考えています。

建物は地主が所有している建物に囲まれる形で建っていて、道路に出る為には

幅90cmの通路を通らないと行けない状況なのですが、こんな状況でも売却でき

るでしょうか。

 

1-1 建物を建築するためには道路が必要です

道路とは建築基準法(第42条1項1号~5号及び第42条2項)に定められた

道路の事なのですが、道路の幅(幅員といいます)が4m以上ある道路に2m以

上敷地が接して(接道するといいます)いないと建物の建築許可が下りません。

 

今回ご相談頂いた案件は道路の幅は4m以上ありましたが、道路まで通じている

通路の幅が90cmしかなく、敷地が道路と2m以上接していなかったため、この

ままでは再建築する事が出来ない状態でした。

 

1-2 借地権単体で売却可能か

まずは借地権がこのままの状態で売却できるのかを検討します。

 

幅90cmしか道路と接していない状況のままでは、「再建築が出来ない」という状

態での売却となりますが、築58年の建物をそのまま使用するという方はおらず、

大規模なリフォーム工事をして住むという事になります。

 

借地権付建物の購入費と合わせて大規模なリフォーム工事をするとなると、それを

すべて現金で用意できる人は非常に少ないでしょう。

 

そこで問題になるのが「住宅ローン」です。

都市銀行等の一般的な銀行ですと、築58年の建物に融資をするのは大変難しく、

そもそも接道が取れていない物件に対して融資をすることはありません。

 

そうなると、「現金」で買う方を探さなくてはいけないのですが、わざわざ再建築

が出来ないような物件に現金を出して買うという方は非常に少なく(いないと言っ

ても過言では有りません)売却は困難を極めるでしょう。

 

たとえ売却が出来たとしても、とてもとても低廉な売却価格となってしまいます。

 

1-3 問題点の整理

①再建築が出来ない土地(借地権)である

②建物が古く(築58年)このままでは住むことが出来ない

③上記の理由により住宅ローンが使えず売却は非常に困難である

 

2 売却方法の提案

今回の案件は「地主の建物に囲まれた借地」という点に着目し、「地主と一緒に売却

をする」という事を提案致しました。

 

「地主の権利」とは、地主の建物が乗っている土地(借地権が付いていない所有権)

の部分と借地権が付いている土地(底地)の事を言います。

 

地主からしてみれば、地主の権利を売却しようとした場合、再建築が出来ない建物が

乗っている借地権の負担がついた土地(底地)も合わせて売却をしなくてはならず、

売却がし辛い土地であるという事が言えます。

 

今回当社が提案した「地主の権利」と一緒に「借地権」を売却する方法であれば、土

地全体を完全な所有権(借地権の負担の無い)として売却する事が出来るため、世間

一般的に取引されている所有権の価格で売却する事が出来るようになります。

 

これは、地主にとっても借地権者にとっても非常にメリットが大きい売却の方法です。

この売却方法を借地権者へ提案し、ご理解頂いた上で進める事となりました。

 

 

2-1 地主への打診

今回の売却方法は地主の協力なしでは決して叶いませんので、まずは地主へ現在の土地

の状況について説明を致しました。

 

①地主が所有している土地の一部は再建築が出来ない建物が乗っている借地権の負担

がついた土地(底地)であること。

 

②たとえ所有権のみを売却しようとした場合でも敷地の一部に借地権の負担がついて

いるため、売却が容易でないこと。(建替えの問題)

 

そして、借地権者が売却を検討している「今」であれば、土地全体を「所有権」とし

て売却が出来るため、それぞれ単体で売却するより、地主にとっても借地権者にとっ

ても利益が大きくなる事を丁寧に説明し、一緒に売却をする事を了承頂きました。

 

3 底地と借地権の同時売却について

底地と借地権を一緒に売却(同時売却)するという事は、一般的な不動産の売買と違

い、注意しておきたい事がいくつかあります。

ここでは、その注意するポイントをご紹介致します。

 

3-1 売却額の分け方について合意しておく

借地権を売却する場合や底地(借地権負担付土地)を売却する場合は、それぞれの評

価=売れた金額となり、受け取る金額が明確です。

 

今回のように同時売却で進める場合は、売却する土地全体の評価(売買価格)は明確

ですが、借地権者と地主が受け取る価格の割合は決まり事があるわけではないため、

話し合いが必要です。

 

この売却額の分け方については売却を開始する前に打合せをしておかないと、買主が

見つかった後で契約の直前になって分け方で揉めてしまい、結果契約が破断になって

しまう事もあるので注意が必要です。

 

3-2 不可分一体の契約とする

同時売却をする場合にもう一つ注意しなくてはいけないのが契約の方法です。

買主から見れば「所有権の土地を購入する」という通常の不動産の取引に見えますが

実際は「借地権の売買」と「底地(借地権負担付土地)の売買」という2つの契約と

なります。

 

売買契約書も「借地権者↔買主」「地主↔買主」の2通作成するのですが、そのどちら

か一方でも契約が解除してしまうと買主は完全な所有権を取得する事が出来ず、底地

か借地権しか取得出来なくなってしまい、買主は本来の目的を達する事ができません。

 

そこで、契約をする時に一方の契約が解除となった場合にはもう一方の契約も解除と

なるよう、「不可分一体の契約」となるように定めてきます。

 

4 まとめ

今回の案件は借地権者と地主の双方に特殊な要因があったため、同時売却をする事

で双方にメリットが生じた案件でした。

 

借地権者が抱えていた建物老朽化や再建築出来ない土地の問題、地主が抱えていた

敷地の一部に借地権の負担が付いた土地の問題が、同時売却をする事で、すべて解

決する事ができました。

 

売却するタイミングについても、借地権者と地主が息が合うという事自体が珍しい

ため双方にとって良いタイミングでした。

 

また、同時売却する事で資産価値が上がり、それぞれ単独で売却するのに比べ売却

価格も高くなったことも大きなメリットでした。

 

借地権者からの相談内容で多いのが、地主と普段疎遠になっているため「なかなか相

談しづらい」というお声があるのが実情です。

 

当社では「地主」と「借地権者」双方からご相談を承る事が多く、それぞれの立場を

理解した上でお話をさせて頂いております。

 

今後も今回の同時売却のように、皆様の利益が最大限向上するよう、アドバイス出来

るよう努めて参りたいと思います。

 

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