新青土地コーポレーション

宅建免許番号 東京都知事(1) 第109818号

借地権の譲渡承諾料の相場は?計算例と地主に拒否された時の解決策

資産としての借地権・底地を最大限に活かすために 借地権者側も地主側も 笑顔になれるコンサルティング 借地権や底地の売却・相続・更新・地代の問題解決なら弊社まで

借地権付き建物 承諾料の相場は?

借地権付き建物を相続すると、地主への地代の支払いが毎月必要になります。相続した建物に住む予定がない場合、契約内容によっては数万円にもなる地代の支払いが、家計の大きな負担になってしまいます。

建物の売却を検討する場合も、借地権付きの場合、地主から「売却したいなら更地にして返すように」「売却にあたって、売却益の半額を承諾料として渡すように」といった要求をされる場合があります。更地返還の費用や譲渡承諾料の金額の大きさを知り、途方に暮れるケースが少なくありません。

「借地権付き建物の譲渡承諾料は、実際はいくらが相場なのか?」
「地主が売却を拒否したら、一生地代を支払い続けなければいけないのか?」
「できるだけ損をしない形で、借地権付き建物を売却するにはどうしたらいいのか?」
「威圧的な地主を前に、話し合いが難しいと感じている。第三者の手を借りることはできるのか?」

今回は、このような疑問を解決できるように、借地権売却の際の承諾料の相場や計算例、地主に拒否された場合の対処法について解説いたします。

借地権の譲渡承諾料とは?なぜ支払いが必要なのか

借地権の譲渡承諾料とは?

借地権付き建物を第三者に売却する場合、底地の権利を持つ地主の許可が必要です。許可の証として、地主から譲渡承諾書へのサインを得るのですが、この手続きの際に地主へ支払われるのが譲渡承諾料です。

借地権付き建物は、なぜ地主による承諾が必要なのか、譲渡承諾料が発生するのか、その理由をみてみましょう。

賃借権の譲渡には地主の承諾が必須

借地権付き建物は、土地付きの所有権建物と違い、一つの土地に2つの権利が存在しています。地主は土地の所有権を持ち、借地権者は建物の所有権と土地の借地権を持っているのですが、建物を売却したい場合、地主は自分の土地へ、自分が契約したわけではない新しい借地人が土地を使うことになります。

そのため、土地の所有者である地主から許可を得て、第三者への売却を目指す必要があります。

もし、地主に黙って借地権付き建物を売却してしまった場合、民法第612条(賃借権の譲渡及び転貸の制限)の1項および2項により、契約解除になるリスクがあります。

(賃借権の譲渡及び転貸の制限)
第612条

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。

賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる

なお、判例上は、形式的に無断譲渡があっても、地主との信頼関係が破壊されたとはいえない特段の事情がある場合には、契約解除が認められないこともあります(信頼関係破壊の法理)。ただし、解除リスクを回避するためにも、事前に地主の承諾を得ることが原則です。

無断譲渡が理由で契約解除になった場合、売買手続きを進められない、ストップしてしまうだけでなく、契約内容によっては買主から違約金や損害賠償を請求される恐れもあります。

このようなトラブルを未然に防ぐためにも、地主の許可を得た上で、譲渡承諾料を支払う必要があります。

民法(明治二十九年法律第八十九号):https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089/

「承諾料」は地主の権利ではなく「慣習」として定着している

借地権付き建物を売却する場合、事前に地主の許可を得る必要があります。一方で、譲渡承諾料の支払いは、これまでに築かれてきた「慣習」であり、地主に法律上認められた権利とは異なります。また、譲渡承諾料の支払いについては、長年の取引慣行として定着しているものの、金額に関する明確な法律上の規定はありません。

法的に金額が明文化されている訳ではないため、地主の言い値で譲渡承諾料を決定する必要はありません。「威圧的な態度で、高額な承諾料を要求されている」「譲渡承諾料の値下げは認めない」と言われている場合も、話し合いや交渉の余地がつねに残されています。

個人での交渉が難しい場合は、借地権問題に強い専門家に間へ入ってもらうと、支払う金額を抑えられるケースがあります。

譲渡承諾料の相場

譲渡承諾料には法律で決まった金額はありませんが、実務上は一定の相場があり、一般的に借地権価格の約10%が目安と言われています。大都市圏での標準的な相場や算出方法、手残り額を大きく左右する税務処理について、詳細を知っておきましょう。

一般的な目安は「借地権価格の10%」

譲渡承諾料の計算は、大都市圏の場合、借地権価格の約10%となるケースが多くみられます。この金額は、あくまでも目安であり、借地権付き建物のあるエリア、建物の状態などによって変わる場合があります。

地主が売却を拒否しているケースで、裁判所が代わりに許可を出す「借地非訟(しゃくちひしょう)」の申し立てをして進める場合も、10%前後の譲渡承諾料になるケースが多いことから、約10%が一般的な基準になっています。

借地権価格の算出式(路線価を用いた計算)

譲渡承諾料は、国税庁が公表している「路線価」を用いて算出できます。譲渡承諾料の目安となる借地権価格は、国税庁が公表している「路線価」を用いて算出できます。算出した借地権価格に10%を乗じた金額が、譲渡承諾料の一般的な目安となります。

土地の路線価は、国税庁のホームページの路線価図から誰でも確認できるため、手元での計算が可能です。

(借地権価格の計算式)

借地権価格 = 更地価格(自用地評価額) × 借地権割合

路線価図で物件の所在地を検索すると、「200C」や「180D」といった数字・アルファベットが記載されています。この末尾のアルファベットが、借地権の割合を表しています。

記号 借地権割合
A 90%
B 80%
C 70%
D 60%
E 50%
F 40%
G 30%

仮に、土地全体の価値(更地価格)が3,000万円で、路線価の記号が「D(60%)」の地域の場合、計算は以下のようになります。

3,000万円(更地価格)×60% = 1,800万円(借地権価格)

譲渡承諾料の相場で計算すると、1,800万円(借地権価格) × 10% = 180万円、となり、地主に支払う金額の目安は180万円になります。

「売却額の半分を支払うように」「この土地は300万円が相場だから」といった説明を受けている場合は、こちらの計算式で目安を計算して、一般的な相場と大きくかけ離れていないか確かめておくと安心です。

路線価図:https://www.rosenka.nta.go.jp/

手残り額を左右する「承諾料の税務処理」

地主への譲渡承諾料は「支払ったら終わり」ではありません。借地権売却後、譲渡所得税という税金を支払う必要があるのですが、この税金は売却金額から譲渡費用を差し引いた、利益にたいして課税されます。

この譲渡費用には、地主へ支払った譲渡承諾料を含められます。税務署への申告の際に、譲渡承諾料を忘れずに計上しておくと、譲渡所得税の節税につながります。

承諾料が「不要」または「安くなる」4つのケース

承諾料が不要または安くなるケース

地主への譲渡承諾料は、条件によって不要もしくは安くなるケースがあります。相続した借地権付き建物は、本当に譲渡承諾料を支払う必要があるのか、4つのケースに当てはまるかどうかをたしかめてみましょう。

地上権の設定がある場合

きわめて稀なケースですが、本記事では実務上多い、土地賃借権型を前提に解説します。

相続した借地権付き建物の借地権が「賃借権」ではなく「地上権」であると登記簿に書かれている場合、地主の承諾自体が不要になります。

地上権の場合は、譲渡承諾料の支払いが発生しないだけでなく、地主の許可なく自由に第三者へ売買したり、貸したり、担保に入れたりできると、法律で定められています。

法定相続人による相続

親や親族から法定相続人として借地権付き建物を相続した場合、「売買(譲渡)」には当たらないため、譲渡承諾料(名義書換料)は発生しません。相続人以外へ遺贈された場合は、譲渡として扱われ、地主の承諾と承諾料が必要です。

法定相続人として相続した場合もその後、第三者への売却を検討するタイミングで、地主への譲渡承諾料が必要になります。

建物のみの譲渡ではなく、地主が買い取る場合

地主側から「借地権付き建物を買い取りたい」という申し出があった場合や「話し合いの結果、建物を地主が買い取ることになった」という場合、第三者への譲渡ではなくなるため、譲渡承諾料という概念自体が消滅します。

譲渡承諾料の支払いを避けるなら、地主へ建物を買い取ってもらえないか交渉をする、というのも一つの選択肢です。

更新時期や建て替え時期を逆手に取った交渉成功例

新青土地コーポレーションは、不動産取引の専門家として、譲渡条件の整理や売却スキームの提案に幅広く携わってきました。更新時期や建て替え時期を踏まえた譲渡条件の調整など、不動産コンサルタント業者としての知識を活かし、アプローチした事例が数多くございます。

具体的には、
「更新料の支払いと時期が重なっているから譲渡承諾料を下げてほしい」
「地代の値上げを受け入れる代わりに、譲渡承諾料を下げてほしい」
といったアプローチで、譲渡承諾料の値下げ交渉を進めてきました。

売却を検討している借地権付き建物が、更新や建て替え時期を迎えている、地代の値上げが妥当である、という場合は、譲渡承諾料の価格見直しを相談してみるという手段もあります。

地主に「拒否」された、または「相場以上」を要求された時の対処法

地主に拒否された場合の対処法

「借地権付き建物の売却を地主に拒否されてしまった」「相場以上の譲渡承諾料を要求されて困っている」という場合も、話し合いの余地が残されているケースがあります。地主との話し合いが上手くいかない場合の対処法を覚えておきましょう。

まずは金額の根拠を「書面」で確認する

譲渡承諾料の金額面で地主と折り合わない場合、余計なトラブルを避けるためにも、口頭でのやりとりは避ける方が賢明です。

感情的に話し合うのではなく、路線価をもとにした金額の根拠を、直接ではなく書面などを通じて数字で示すと、事務的にエビデンスが伝わり、理解を得られる場合があります。

裁判所の許可を得る「借地非訟」の手続き

地主が頑なに売却を拒否している場合でも、「借地非訟」の申し立てを行い、裁判所が許可を出せば、借地権付き建物の売却が可能です。申し立て後、裁判所が選任した鑑定委員が、客観的な観点から土地を評価し、適正な承諾料を算出してもらえます。

「借地非訟」の申し立てをする場合、譲渡承諾料は借地権価格の10%前後で決着する例が多いため、過剰な譲渡承諾料を求められているケースでも、適正な譲渡承諾料での売却を進められます。

裁判所から売却許可の決定が出たら、その金額を地主へ支払うことで、売却手続きを進められます。支払いには期限が定められているため、期日までに支払いを行った上で、売却手続きを進めていきましょう。

「借地非訟」の手続きを利用すれば、地主の承諾が得られない場合でも、適正な譲渡承諾料での売却を目指せます。一方で、申し立てにあたっての弁護士費用、決定までの期間の地代の支払い、といった別の費用が発生する場合があります。時間や手間がかかる方法のため、最悪の場合の手段として検討してみてください。

まとめ

借地権付き建物の譲渡承諾料のまとめ

借地権付き建物の譲渡承諾料は、借地権者と地主との間でトラブルになりやすい部分です。威圧的な態度や厳しい言葉を前に、言い値で払ってしまうケースもありますが、譲渡承諾料には路線価をもとにした目安の金額があります。

終わらない地代の支払いからの解放、適正な譲渡承諾料での不動産売却を目指すなら、正しい知識を武器に、必要に応じて書面を用いながら、冷静に話し合いを進めてみてください。

個人では交渉が進まない、話し合いに応じてもらえない、という場合は、借地権問題に特化した不動産コンサルタント「新青土地コーポレーション」がお力になります。

当社では、税務の相談ができる税理士、登記手続きを担う司法書士、借地権物件の高値売却に強い不動産コンサルタントがオフィスに集結しています。必要に応じて、提携弁護士とも連携しながら、ご相談者様が抱える借地権問題の早期解決をお手伝いいたします。

借地権売却や譲渡承諾料にまつわる問題でお悩みでしたら、まずはお話をお聞かせください。ご相談は無料です。多くの借地権トラブルを解決してきた老舗不動産コンサルタントが、手厚くサポートいたします。

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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別案件における法的判断・税務判断を保証するものではありません。譲渡承諾料の金額や借地非訟の結果は個別事情により異なるため、実際の交渉・手続きにあたっては、弁護士・税理士等の専門家にご相談ください。

監修者


川瀬崇弘

宅地建物取引士 / 不動産コンサルティングマスター / 相続対策専門士

司法書士事務所にて補助者として不動産登記、破産申立、過払い金返還請求等の実務に従事。その後、不動産会社で不動産売買仲介営業を担当。以降は、大手ハウスメーカーにて注文住宅の営業、建売用地の仕入(情報収集~企画~販売)を一貫して担当。

特に法律の知識を活かした借地権に関するコンサルティングを強みとし、権利関係・リスク・双方の主張を整理した提案で案件を推進。さらに会社整理に伴う資産処分では、会計士と連携しながらスキーム検討、関係者調整、売却実務までを担当。

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