借地権て売却できるの?借地権を売却する5つの方法についてやさしく解説します。
借地権は売却できます
借地権の売買手続きなど売却に関すること 経験と実績の借地権の専門家が、徹底解説します
借地権の売却をご検討中の方
満期になったり住まなくなったりした借地権は、借地契約を解除し建物を解体し更地にしたうえで、ただで地主に返却するもの。と、考えている方は少なくありません。
現在の借地権は平成4年8月に施行された新借地借家法(新法)における借地権と、新法施行前の旧借地法に基づく従前の借地権が混在しています。しかし、新法における定期借地権以外の借地の場合は、満期と同時に消滅してしまうものでなく、借地権者側が継続して利用(更新)したり売却する権利があります。
借地権は、相続や贈与時にも財産評価される確然たる財産であり、殆どのケースで売却できるものです。
借地権の売却には
- 「地主との交渉だけでなく、法律・税務などが複雑に絡み合っていること」
- 「借地権者と地主との間で、互いの感情が複雑に絡んでいることが多いこと」
- 「多くの地主が知識や経験があり交渉にたけている反面、ほとんどの借地権者は借地に関する知識が乏しく不慣れであること」
上記のように、ともすれば専門家である地主側との手続きや交渉を、個人で行うのが困難であることが多いのが、実情です。
当社では、借地権の売買、借地権の相続、更新、地代の問題、借地に纏わる様々なトラブルのご相談を、お受けしています。借地権に関する知識と実績豊富なスタッフが、皆様の借地権売却を全力でサポートを致します。
また、当社では、相続に係る税務・法務・不動産の相談が一カ所でスムーズに行える様、公認会計士・税理士事務所、司法書士事務所をワンフロアに集めた
資産総合コンサルタントオフィス
「Global Asset Consulting Office」
を運営しており、必要に応じ専門家によるバックアップ体制も充実しております。
借地権売却の5つのケース
借地権の売却方法には以下の5つのケースがあります。
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(1)借地権を「第三者」に売却する方法
- 借地権を売却するのは借地権者の確然たる権利であることは間違いありませんが、借地権を売却(譲渡)する際、必ず地主の承諾や売却後の借地条件の摺合せが必要となります。地主からの承諾内容および摺合せ条件には以下のものがあります。また、各承諾料については、法律上の決まりごとがあるわけではありませんので、あくまで借地権者と地主双方の話し合いで決められるものですが、以下に目安を記載しました。
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① 譲渡(名義書替)承諾
- 借地権を第三者に譲渡(売却)することの承諾で、地主に対し譲渡承諾料(名義書替料)を支払います。
一般的な譲渡(名義書替)承諾料の目安 = 借地権価格の10%程度
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② 建物建替え(増改築)承諾
借地権上の建物を建て替えたり、躯体の造作を伴うような増改築を行う際の、地主に支払う承諾料となります。
一般的な建替え(増改築)承諾料の目安
= 更地価格の3%~4%程度(借地権価格の5%という場合も)
木造建物から鉄筋コンクリートなど堅固な建物への条件変更を伴う建替え承諾の場合
= 更地価格の10%程度
※建替えや増改築は借地権の買主(次の借地権者)が行もので、建替承諾料の支払いは、本来買主が負担すべきものです。しかし、実際の借地権売買では、売買代金の他に別途の承諾料があると躊躇してしまう方が多い為、売主が負担するケースがほとんどです。
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③ 売却後の新たな借地権者との借地条件の摺合せ
借地権を売却しようとする場合、事前に地主と相談のうえ、次の借地条件を確認しておく必要があります。確認事項には次のようなものがあります。
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- 借地の目的(非堅固な建物所有目的か堅固な建物所有目的か)
- 借地権の期間(譲渡に伴い新たに20年・30年とすることが殆どのケースですが、現行借地契約の残存期間とするケースもあります)
- 地代(借地権譲渡に伴い、たいていの地主は賃料の改定を言ってきます)
- 建築制限(共同住宅の建築の可否など)
- 期間満了時の更新料の有無と計算の目安
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④ 抵当権の設定承諾
借地権の購入者が金融機関の融資利用を希望する場合(ほとんどの方が希望します)、借地権上の建物に借入金融機関や保証会社から抵当権の設定を求められ、地主より抵当権設定承諾書(金融機関所定のものが多い)に地主の実印押印(印鑑証明書添付)を求められます。この抵当権設定承諾書発行に関する承諾は譲渡承諾料や建替え承諾料に含まれることが多いですが、事前に地>主へのお願いをしておかなければトラブルの基となります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー※地主との交渉に専門家が必要なわけ
>更新料の精算過去の地主との長い賃貸借の状況によりますが、過去に更新料などを地主から請求されたものの支払いをしていないケースなどは、譲渡承諾の際に清算を求められる場合があります。
借地権や底地は権利関係が非常に複雑になっている場合が多く、さらに法律や税務・慣習も難しいので個人で扱うのは困難と言えます。不用意に土地所有者(地主)へ交渉を行うと、トラブルに発展するケースも少なくありません。
借地権の売却を行う場合は、知識や実務経験が必用で、専門家へ相談することをお勧めします。専門家が間に立つことで一方通行の交渉を避け、売却の手続きをスムーズに行うことができます。
当社では、地主側からのご相談も数多く扱っております。過去の法改正などで地主にとって現在の借地権がどのように形成されてきているのか(歴史観)、地主の立場や言い分、借地権者の立場や言い分、どちらの考えも主張も理解できます。借地権の売却は、土地所有者(地主)との良好な関係を築くことが最重要。
当社では、借地権者側、地主側双方の考えや主張をよく聞くことから始めます。双方がご理解をいただいた上で承諾が得られるよう、お手伝いいたします。 -
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(2)借地権を「土地所有者(地主)」に売却(地主側からは買戻し)をする方法
- 借地権を売却する場合には、必ず土地所有者(地主)に承認を得る必要があります。その際に地主の方には優先的に借地権を買い戻せる権利(介入権といいます)があります。借地として利用している土地は、もともと地主の方のものですので自然な流れと言えるでしょう。
地主との売買条件の摺合せが出来ない場合には、地主は借地権者が「第三者」へ売却することを相応の条件で認めなければなりません。 - 借地権者が借地権を売却する際、地主が借地権の売却を拒否することは出来ませんが、地主には第三者に優先して借地権を購入(買い戻す)権利があります。
時代の流れとともに、地主の権利が小さくなっており、機会があれば借地として土地を貸していることを止めたいと思っている地主も少なくは有りません。
地主側に買い戻す意向がある場合、第三者に先立ち、まずは売買価格や売買条件などの話し合いを行います。売買価格に関しては、借地権者が第三者に売却を行う際にかかる地主への承諾料等を考慮して考えられることが多く、売買価格自体は第三者に売却する場合より低くなるのが一般的です。
当社では、地主さんと借地権者の間に立ち、売買価格から条件の摺合せまでお手伝いいたします。
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(3)「第三者」に借地権と土地所有者の権利(底地といいます)を同時に売却する方法
- 借地権者と地主とでそれぞれの権利を同時に「第三者」に売却するケースです。土地所有者(地主)は底地を、借地人は借地権を売却することになり、第三者はその土地のすべての権利を得ることになり、結果所有権の不動産を購入することと同じになります。当然ですが、この方法は地主と協力して売却する必要があります。
- 借地権と、土地の所有権(地主の権利=底地)とを、借地権者・地主とで協力して同時に売却する方法があります。
借地権者が借地権を手放す際に、底地を一緒に手放そうという地主も少なくありません。借地権者・地主どちらにとっても、単体で売却するよりも双方で同時に売却する方が売買価格は高くなります。借地権と底地を購入する買主にとっては両方を取得することで普通の所有権の土地を購入するのと同じになるからです。
この場合、地主と借地権者とで売買代金の取り分(按分)を話し合うこととなります。当社では、地主との同時売却時における価格の按分調整、売る為の測量や建物解体などの条件調整、物件の査定、販売活動、契約から引渡しまで、一貫してお取り継ぎを致します。
借地権と底地の同時売却は、借地権者と地主との協力関係が必要です。しかし、双方ともに自分にに有利に話をすすめたいとするものです。当社は借地権者・地主のどちら側からの相談も受けています。双方の立場や主張がわかるからこそ、円滑なお取り継ぎが出来るのです。
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(4)等価交換(借地権の一部と地主の権利(底地)の一部を交換)し、所有権になったものを売却する方法
- 借地権者の権利と地主の権利(底地)を一部交換し、借りている土地を分割して借地権者と地主が互いに所有権として土地を分け合います。その上で、借地権者は所有権になった土地を売却する方法です。
この方法は、ある程度の面積があり分割可能な土地であることが必要です。また、地主と借地権者との分割面積の問題、測量費用・土地分筆費用・建物解体費用などの打合せ・交渉を行います。 - 借地権の対象となっている土地は、地主の持つ権利(所有権=底地)の上に、借地権者の持つ借りる権利(借地権)がのっているということとなります。借地権者が借地権を売却する際や、借地契約更新の際に、地主から今後も借地として貸すのではなく、土地を半分返してほしいといったことが良くあります。
一つの土地にのっている借地権者の権利と地主の権利とを、土地を面積で分割して片方の借地権ともう片方の底地を交換して、借地権者・地主ともに完全な所有権の土地として面積の按分で分ける方法です。
この方法を取るには、当然のことながら分割の出来る土地であることが必用で、地型や面積により等価交換が出来るか否かわかれます。また、一般に言われている財産上の借地権割合(評価)のとおりに分割されることは少なく、互いに譲り合い、按分を決めていきます。
この場合、借地権者は等価交換後の土地を普通に所有権の土地として売却することが出来ます。
当社では、借地権者と地主、どちらからの相談もお受けしています。地主・借地権者双方の立場が理解できますので、双方の主張や考え方を良くうかがったうえで、交渉・調整を致します。また、等価交換をしたり、等価交換後の土地を売却するときには、税金のこと・登記のこと・測量のことなども良く考えなければなりません。
司法書士事務所・公認会計士税理士事務所併設の不動産会社である当社にお任せください。
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(5)借地非訟
- 土地所有者(地主)の承諾が得られず、裁判所による「借地非訟手続き」にて「第三者」に売却する方法地主から借地権譲渡の承諾をどうしても得られない場合、裁判所へ「借地非訟手続き」を行うことにより、裁判所から「土地所有者の承諾に代わる許可」を得ることで実現が可能となります。この場合、借地権者と地主との関係が悪化していることとなりますので、売却価格が安くなります。借地権はあくまで地主から土地を借りる権利であり、地主とのトラブルは借地権者にとっても地主にとっても出来るだけ避けるようにします。あくまで最終手段の方法です。
- 基本的に、この方法はお勧めできません。借地権売却をするのであれば、まずは土地所有者(地主)から承諾を得るのが最優先です。しかし、どうしても借地権の売却を地主が承諾してくれない場合、地主に代わり裁判所に、借地権の譲渡(売却)承諾をしてもらう方法があります。
当社は、併設の司法書士事務所および連携する弁護士とともに、最善の方法で借地権売却のお手伝いを致します。
相続した借地権を売却したい場合
借地権を相続し売却する場合、上記の借地権売却の前に、相続登記を行います。借地権の相続手続きは、税務申告や相続登記、地主との書替手続きなどがあります。
更に、不動産(借地権も当てはまります)を売却して、遺産を分割しようとする場合、相続の仕方(遺産分割協議書作成の仕方)により、譲渡所得税などの支払額に大きな差が出ることとなります。
当社では、相続財産を少しでも有利に相続できるように、皆様のご家族構成やご事情にあったコンサルティングを行っております。 当社は、司法書士事務所・公認会計士税理士事務所併設で、相続から売却まで一貫してお手伝いいたします。
※相続による遺産分割は、一度遺産分割協議書を作成してしまうと後から変更することは困難となります。万が一相続が発生しましたら、早めにご相談いただくことをお勧めいたします。
定期借地権の売却
現在の法律(平成4年以降の借地借家法)では、借地権は大きく「普通借地権」と「定期借地権」の2つに分けられます。「定期借地権」はさらに3種類に分類され、それぞれに契約の期間が異なります。
名称 | 期間 | |
---|---|---|
普通借地権 | 30年 | |
定期借地権 | 一般定期借地権 | 50年以上 |
建物譲渡特約付借地権 | 30年以上 | |
事業用借地権 | 10年~50年 |
定期借地権と普通借地権の違いは、法定更新によって原則的に借地契約が更新されるか否か、という点にあります。旧借地法(平成4年以前の借地法)では、土地所有者(地主)に借地権返還の正当な理由がない限りは更新が行われるため、地主にとってはいったん土地を貸してしまうと戻ってこない、という状況が続いていました。
これでは土地の有効活用が妨げられることになり、平成4年に新借地借家法が制定されます。そこで登場したのが定期借地制度です。定期借地権は普通借地権と違い、契約期間の終了時には土地を更地にして土地所有者(地主)に明け渡す必要があります。同時に、契約期間中は原則、設定した期間中は借り続けなくてはいけない、という決まりもあります。
しかし、契約期間中であっても第三者へ借地権の売却を行うことは可能です。ただしこの場合、土地所有者(地主)の承諾が必要となり、普通借地権同様に、土地所有者(地主)との交渉が重要となります。また、土地所有者(地主)に借地権を買い取ってもらうことも可能です。
定期借地権の売却はまだ歴史が浅く、実例が少なく、借地権者側も地主側も経験が乏しいのが現状です。当社では、借地権者側・地主側双方のご相談を受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
売却時の税金について
不動産(借地権を含みます)を売却する際、売却の利益に対し譲渡所得税や住民税がかかります。
不動産を売却した場合、まず、売れた金額(譲渡価格)から売却にかかった費用(譲渡費用)を引き、その不動産を昔購入したときの金額に購入時の諸費用を算入 したもの(取得費)との差額(これを「譲渡所得」といいます)を算出します。
ここから各種控除額を差し引き、利益が生まれた場合(これを課税譲渡所得と言います)、所得税(譲渡所得税:国税)と住民税(地方税)とがかかります。
課税譲渡所得金額の計算
譲渡所得税は、土地(借地権)建物を売却した時にかかる税金です。
課税譲渡所得は、譲渡価格-(取得費+譲渡諸費用)-特別控除額で算出されます。
譲渡価額 | 土地や建物の売却代金のこと。 |
---|---|
取得費 | 土地や建物の購入代金、手数料などを資産の取得にかかった金額に、 その後の改良費、設備費といった支出費を合わせた合計額。 |
譲渡費用 | 仲介手数料、測量費、売買契約書の印紙代、 立ち退き料、建物の取り壊し費用といった支出の合計。 |
特別控除 | 各種特例。通常は発生しない。 |
所有期間により税率が大きく変わり、売却した土地建物等の所有期間が売却した年の1月1日現在で、1. 5年を超える場合(長期譲渡)と 2. 5年以下の場合(短期譲渡) に分かれます。
尚、2013年から2037年までは所得税に2.1%の復興雄特別所得税(復興税)が加算されます。
1. 所有期間5年超(長期譲渡所得)
所得税 | 住民税 | 合計 | |
---|---|---|---|
譲渡所得 (復興税加算後) |
15% (15.315%) |
5% | 20% (20.315%) |
2. 所得期間5年以下(短期譲渡所得)
所得税 | 住民税 | 合計 | |
---|---|---|---|
譲渡所得 (復興税加算後) |
30% (30.63%) |
9% | 39% (39.63%) |
また、居住用財産としての借地権を譲渡した場合、譲渡所得から3,000万円迄の特別控除があり、その部分は課税されません。
更に所有期間が10年を超えている場合は税率は軽減されます。
3,000万円特別控除後の譲渡所得 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
---|---|---|---|
6,000万円以下の部分 (復興税加算後) |
30% (30.63%) |
9% | 39% (39.63%) |
6,000万円を超える部分 (復興税加算後) |
15% (15.315%) |
5% | 20% (20.315%) |
借地権売却時の相場について
不動産の価格には、以下のようなものがあります。
- 一般的な不動産売買の価格
- 公示地価格や基準地価格
→国土交通省が毎年発表(鑑定評価による適正価格として発表しています) - 路線価格
→国税庁が毎年発表(相続や贈与などの財産評価算出に使い、借地権の所有権に対する割合も記載されています) - 固定資産評価額
→固定資産税等課税の為、各税務署が算定
借地権売却時の価格は、その借地権の現在の状況(契約期間・目的・地代・今までの契約更新内容・ほか取り決め事項など)や、借地権売却後に新たな借地権者となる方への地主からの契約条件・譲渡承諾料・建替えおよび増改築承諾の内容などにより、大きく変わってきますので、財産評価上、借地権割合が70%だから一般の不動産価格の70%だという安易な計算は致しません。
当社では、皆様の借地権の内容を把握することから始めます。
まずは、皆様がいまお手持ちの借地に係わる資料(土地賃貸承諾書・測量図など土地の面積や形のわかるもの・建物図面・更新時や建替え時などに過去に地主とやり取りした資料・etc)を、あるだけで結構ですので、拝見させてください。
また、皆様から出来る限り対象の借地権に係るお話を伺わせていただきます。
そのうえで、問題なく地主さんから譲渡などの承諾を頂けた場合の金額を提示させていただきます。
※借地権売却時の価格は、地主との契約条件(承諾料などの金額面も含みます)などにより、大きく左右されます。
借地権売買に特化している当社では、皆様の大切な財産である借地権の査定価格を、経験と実績に基づき、ご相談者の皆様がご理解できるまでわかりやすくご説明致します。
借地権の売却についてのご相談
借地権を売却するに至るまでの過程は、空き家の処分など様々であり、借地人と地主の間で行われる交渉を円滑に行うためには借地権の評価・価格・承諾料など、売却における借地権の様々な問題を解決する必要があります。新青土地コーポレーションでは、借地権の売却を成功させるためにも、事前に相談を行うことで交渉の段階からアドバイスを受けることができます。
新青土地コーポレーションは、公認会計士税理士事務所・司法書士事務所がワンフロアに併設された不動産会社なので、それぞれの分野のプロによる必要に応じた迅速かつ丁寧なサポートが可能です。借地権の売却・相続・更新など借地権に関する無料相談もお受けしておりますので、借地権に関する悩みを抱えている方は、ぜひご相談ください。
借地権者からの相談
借地権を使用する必要が無くなったので、地主に買い取ってもらうか、借地権を第三者に売却したいと考えています。
親の住んでいた借地権で、親が亡くなり相続が発生しました。相続人それぞれ居住用の自宅があるので借地権の処分を考えています。手続き等の流れを教えてください。
「地主に借地権の買取り義務はないので、買取りの請求は当たり前にはできません」
借地借家法第13条に建物買取請求権という条項があり、地主は当然に買い取るものだと考えている方も少なくありません。
しかし勘違いし易いのですが、この建物買取り請求権とは、借地期間が終了するなどで、借地権が消滅により存在しないことを前提にしての建物自体の買取り請求権を認めたものです。
したがって、借地権の価格を含まず、建物の価格だけが買い取り代金額として認められるもので、借地権の買い取り請求とは違います。
通常、借地人は借地権の買取りを考えているので、借地権が存在するとの前提であれば建物買取り請求権は発生しません。
借地権を買い取るか買い取らないかは、買主である地主の自由であり、借地権者は地主にあくまでお伺いを立てるというスタンスとなります。
但し、地主側に正当事由がない場合には、地主は借地権を解除することは出来ず、借地権者側から、第三者へ売却(譲渡)をしたいと申し出があった場合には、地主は譲渡を認めなければなりません。
地主は、譲渡を認めるための承諾料を借地権者側に求めることとなります。
「借地権を第三者に売却するときの手続きと注意点」
借地権を第三社に売却するには、地主の承諾が必要となります。借地権の売却を検討する場合、予め、地主と打ち合わせをして借地権の売却許可が得られるかの打診をしておいたほうが良いでしょう。
借地権を売却するために地主から得なければならない承諾内容には以下のようなものがあります。
- 借地権の譲渡の可否と、地主へ支払う譲渡の承諾料
- 建替えの承諾と、承諾料(木造住宅のような非堅固な建物の場合、鉄筋コンクリートのような堅固な建物の場合)
- 借地の存続期間を延長させる(新たに20年もしくは30年の契約期間を設定する)場合の承諾料(更新料)
- 借地権の買受人が建物に抵当権を設定する場合に、地主が抵当権設定の承諾書を発行してもらえるか
- 借地権の買受希望者と買受額を交渉する。などなど
上記のように借地権を売却する場合の地主から得なければならない承諾内容が多岐にわたります。
借地権に慣れている地主と一般の方が話をすることで、交渉が地主のペースになってしまうことも多くあります。打診するときには、あくまで打診程度にとどめ、詳細な交渉は専門家に任せることをお勧めします。
地主と話をする前に、「借地権のこと」「対象地のこと」を専門家に相談しましょう。
地主との円満な交渉を実現するには、まず借地権者の皆様が、以下のようなことを抑えていなければなりません。
「借地権というものがどういうものなのか」
「借地権を売却した場合の金額」
「地主から提示される各種承諾料の一般的な金額」
やみくもに話をすれば、地主が普通の事を言っているにもかかわらず、感情的になってしまったり、適正な交渉もできません。いままで築き上げてきた地主との有効な関係が、簡単に崩れてしまうことも少なくありません。
出来れば、地主と話をする前に専門家に相談をし、借地権者側は借地権者なりに、ある程度の知識を持ったうえで、地主と話をするとよいでしょう。
借地権売買に関する詳細な交渉は、専門家に任せましょう。
地主への打診が出来たところで、詳細な交渉は専門家に任せることをお勧めします。
借地権の売買にかかる地主との打合せ事項は、先にも上げましたが多岐になり、
「借地権売却(譲渡)の承諾」
「建物の建替え承諾」
「借地権の期間変更(更新)承諾」
「抵当権の設定承諾」
「借地権の目的(非堅固な建物所有目的か堅固な建物所有目的か)」
「新たな借地権者(買主)に対する新地代の件」
その他、新たな借地権者への借地条件の打ち合わせ、など
一般の方がその打合せをすることは困難です。
地主との打診が出来たところで、専門家にバトンタッチすることをお勧めします。
どうしても地主が借地権譲渡承諾を拒否した場合は、裁判所に認めてもらうこともできます。
→借地非訟参照
ただし、これは最終手段で、地主と借地権者とで争いをして得する者はだれもおらず、そうならないように、借地権者側も地主側も、相手の立場を理解し、最大限に譲歩しあうことをお勧めします。
参照条文
借地借家法第19条(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡もしくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。
2.裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。
3.第1項の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間内に借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受ける申し立てをしたときは、裁判所は同項の規定にかかわらず、相当の対価及び転貸の条件を定めたて、これを命ずることができる。
4.前項の申立ては、第1項の申立てが取り下げられたとき、又は不適法として却下されたときは、その効力を失う。
5.第3項の裁判(先買権の決定)があった後は、第1項(譲渡許可の申立)又は第3項の申立て(先買権の行使)は、当事者の合意がある場合でなければ取り下げることは出来ない。
6.裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第1項又は第3項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。
7.前各項の規定は、転借地権が設定されている場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第3項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。
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