借地権の存続期間が満了したとき、定期借地権を除き、契約の更新が必要になります。そして、借地人の方からよくご相談をいただくのが、「地主から更新料を請求されたけど相場がわからない」「更新料は払わないといけないんですか?」「更新料を払わなくてもいいと聞いたのですが……」といったご質問です。
結論から言いますと、地主と借地権者とよく話し合い、互いの立場を理解しあった上で、妥当な更新料の支払いはした方がよいと、考えます。
法律上は更新料の支払い義務はありません
借地権のもとになっている借地借家法では、明確に更新料の支払いについて明記されておらず、最近の判例では、更新料の支払いは拒否されるケースも散見されます。そのため、「更新料を支払わなくてよい」という考え方の借地権者の方が増えています。
更新料の支払いがが認められ、支払わなければいけないケースもあります。
◎更新料を支払わなければいけないケース
・契約書に更新料の支払いについて明記されている
・借地人さん・地主さんの双方で支払いについて合意している ・過去に更新料を支払った経験がある、、、等 ※上記のケースが必らずしもすべてではありません。 |
たとえば、前回の更新では地主さんと話し合って更新料を支払ったけど、今回の更新では契約書に更新料について明記がなかったので払わないことにした。このような場合は、たとえ法律上支払いの義務がなくても支払いを命じられる可能性があります。実際、更新料を支払わなかったために賃借契約が解除になったという判例もあります。
借地権の更新料の相場について
実際に更新料を支払うときに、「なんとなく高いような気がする」と感じる借地人さんもいらっしゃるようです。その感じ方は人それぞれですし、更新料に明確な決まりがないことも大きな原因かと思います。
一般的に住宅地の更新料の相場は
・借地権価格の5%~10%前後
という地主が多く実際に支払うケースが殆どです。また、首都圏では若干高くなる傾向があるようです。また、事業用や商業用の借地権の場合はこれ以上になるケースもあります。
ケースにもよりますが、今後の安定的な借地権確保の為にも、適正な金額であれば、更新料の支払いはした方が良いと考えます。
借地権の更新料についてもっと詳しく知りたい方は、こちらも合わせてご覧ください。
http://shinseiland.com/lease/renew.html
まずは地主さんとの関係を考えましょう
借地権トラブルになりやすい更新料ですが、法律上支払い義務がなくても更新料は払ったほうが無難だと当社では考えています。地主さんと関係が悪化し、次回の更新に対応してもらえない、建替えや売却の承認を出してくれない、法外な増築承認費を請求される、といったトラブルに発展したケースがあるからです。安心して生活を送るために、目先の更新料よりも地主さんと良好な関係を築くことを重視しましょう。
現在の借地権の殆どは、旧法借地権であり、初めは権利金もなく、土地を貸しますからここに家を建てて住んでいいですよ。と、自然発生的に開始されているものが多いのです。その後、借地権に関する法律が度々変わり、地主の権利がどんどん少さくなってしまった経緯があります。相続や贈与の時の財産評価では所有権の価格に対して、借地権が7割や6割といった評価をされ、地主の権利は3割から4割程度(商業地等は2割程度のところも)。更に借地権者が借地上の建物を人に貸したら家賃として、地主が受けとる地代が月5万円程度なのに30万円も50万円も受け取っていたりします。だからこそ地主にとって更新時や、借地権者が建物を建て替えたり増改築する時に承諾料を要求するのです。反面、借地権者側は、頊在の借地権が法律で権利が確約されていますので、地主の要求がなかなか理解出来ない場合が多くなってしまうのです。
借地権者と地主とは互いに、現在の借地権の歴史や相手の立場を理解し合った上で、付き合っていかなければ、トラブルになるものです。
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