「借地権を売却したいけれども、土地所有者(地主様)が承諾してくれない」「借地上の建物の増改築をしようと思ったが、土地所有者(地主様)から断られてしまった」——こうしたケースで利用されるのが借地非訟(しゃくちひしょう)手続きです。新青土地コーポレーションでは、杉並区・中野区を中心に約20年・2,000件以上の実務経験をもとに、借地非訟に関する基礎知識のご案内から、非訟手続きに進む前の地主様との調整まで一貫してご相談いただけます。

借地非訟とは

借地非訟手続きとは、借地借家法・借地非訟事件手続法に規定された法的手続きのことです。さまざまな権利の譲渡や売却、借地上の建物の建築・増改築に関わる求めを借地権者が土地所有者(地主様)に行い、この承諾が得られない場合に行われます。

借地権者は裁判所に対し申し立てを行い、裁判所は双方の事情などを考慮しながら許可の可否を判断します。また、許可を認める代わりに、地代の変更や財産上の給付(承諾料)支払いを借地権者に対して裁判所が命じるケースもあります。

借地非訟の種類と手続きについて

借地非訟には、主に以下のような種類・手続きがあります。

借地条件変更の申立

借地契約の中には、その土地に建設できる建物の用途や構造について制限を設けている場合があります。借地権者が条件変更を土地所有者(地主様)に求め、合意すれば契約条件の変更が可能ですが、これを拒否された場合、借地権者は裁判所へ借地条件変更の申し立てを行うことができます。裁判所がこの申し立てを相当と認めれば、借地条件変更の裁判が可能になります。

増改築許可の申立

借地契約には、借地に建てられた建造物の増改築を行う場合、土地所有者(地主様)からの承諾が必要なケースが多くあります。借地権者が増改築を行いたいと土地所有者(地主様)に打診し、それが拒否された場合には、増改築許可申立を裁判所に対して行え、認められれば「土地所有者の承諾に代わる増改築の許可」の裁判が可能になります。

土地賃借権譲渡または転貸許可の申立

借地権者が借地に建てられた建物を第三者へ譲渡(売却)する場合には、土地所有者(地主様)の承諾が必要であると民法第612条には定められています。しかし、この承諾が得られない場合には、裁判所が相当と認めた後に「土地所有者の承諾に代わる許可の裁判」を受けることができるようになります。ただし、土地所有者(地主様)には介入権(先買権)が与えられるため、上記に関わらず裁判所が決めた価格で借地上建物(借地権)を第三者より優先的に買い取ることが可能です。

競(公)売に伴う土地賃借権譲渡許可の申立

裁判所の競売や行政庁の公売において、借地権付き物件を買い取った方は土地所有者(地主様)と「土地賃貸借契約」を締結しなくてはいけません。しかし、土地所有者(地主様)がこれを拒否した場合には、買主は裁判所に対して賃借権譲渡許可の申し立てを行えます。その後、裁判所が相当であると認めれば、「土地所有者の承諾に代わる許可」の裁判が可能になります。なお、賃借権譲渡・土地転貸許可申立同様、土地所有者(地主様)は第三者より優先的に借地上建物(借地権)を裁判所が決めた価格において買い取ることができます。

借地非訟手続きをする前に、まず当社にご相談ください

借地非訟手続きは時間と労力を要する反面、借地権者側、地主様側どちらにとってもそれほどメリットのあるものではありません。借地非訟は、本当に最後の最後の手続きです。相手方とトラブルになっている借地権や底地は、将来借地権を売却したり建物を建て替えたりする際、また非訟手続きになる可能性も高くなります。また、将来相続が起こった際、お子様たちにまで同じような思いをさせることとなります。借地非訟の前に、まずは新青土地コーポレーションにご相談ください。

借地非訟となるトラブルのほとんどは、以下のようなケースです。

  • 借地権者と地主様との間で、相手の立場が分からず、一方的に双方が主張している
  • 借地権や底地に関する知識や経験がないことから間違った主張をしている
  • 過去の地主様と借地権者との間で、ちょっとした感情のボタンの掛け違いがおこっている

しかし、借地権者側も地主様側も、そのままでいいと思っている方はほとんど皆無で、どうにかして解決したいと思っているものです。借地権の売却などを行う場合は知識や実務経験が必要で、専門家へ相談することをお勧めします。専門家が間に立つことで一方通行の交渉を避け、手続きをスムーズに行うことができます。

当社では、地主様側からのご相談も数多く扱っております。過去の法改正などで地主様にとって現在の借地権がどのように形成されてきているのか(歴史観)、地主様側の立場や言い分、借地権者にとっての立場や言い分、どちらの考えも主張も理解できます。借地権者側、地主様側双方のお考えや主張をよく伺うことから始め、双方がご理解をいただいた上で承諾が得られるよう、最大限のお手伝いをいたします。

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借地人様からのご相談事例

父親から引き継いだ実家の借地権を手放し、母の施設入居の資金にしたいと考えています。

地主様に譲渡承諾の相談に行ったところ、更新料・地代の値上げ等の件で父親と揉めた経緯があるらしく、譲渡を承諾してくれません。このような場合、裁判所が代わりに譲渡の承諾をしてくれると聞きましたが、この手続き(借地非訟手続)について教えてください。

借地権は地主様の承諾がなければ譲渡できない

契約による借地権(土地賃借権)は、もともと債権ですから、譲渡するには地主様の承諾が必要です。契約上の地位の譲渡になるため、無断譲渡禁止の特約がなくても土地賃借権は地主様の承諾がないと譲渡できません。

地主様が譲渡承諾しない場合は裁判所が譲渡の許可を

地主様が借地権の譲渡・転貸を承諾しない場合でも、譲渡・転貸が地主様に不利益を及ぼす可能性がないときは、裁判所の許可によって譲渡・転貸を認める裁判の制度です。

参照条文:借地借家法第19条(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)

借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡もしくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。

2.裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。

3.第1項の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間内に借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受ける申し立てをしたときは、裁判所は同項の規定にかかわらず、相当の対価及び転貸の条件を定めて、これを命ずることができる。

4.前項の申立ては、第1項の申立てが取り下げられたとき、又は不適法として却下されたときは、その効力を失う。

5.第3項の裁判(先買権の決定)があった後は、第1項(譲渡許可の申立)又は第3項の申立て(先買権の行使)は、当事者の合意がある場合でなければ取り下げることはできない。

6.裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第1項又は第3項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。

7.前各項の規定は、転借地権が設定されている場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第3項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。

借地人が非訟手続を申し立ててきた場合、地主様は借地権を取り戻すことができるか

地主様には、先買権(介入権)があります。借地人が借地非訟を申し立てた場合、地主様は自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受けるべき旨の申立てをすることができます。地主様から先買権(介入権)の申立てをすると、裁判所は借地上の建物と借地権の売買代金を鑑定委員会に出させ、その金額を参考に売買代金を決定します。地主様の希望価格では買えず、裁判所の出した価格への値段交渉もできません。借地人の譲渡の自由は制限されますが、投下資本の回収という目的は達成することができます(参照条文:借地借家法第19条3項)。

このほかの借地人様からのご相談事例は、「借地人様からの相談事例」ページでもご紹介しています。

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よくあるご質問

  • 借地非訟とはどのような手続きですか?

    借地借家法・借地非訟事件手続法に基づく法的手続きです。借地権の譲渡(売却)や借地上の建物の建築・増改築について、借地権者が土地所有者(地主様)に承諾を求めても得られない場合に、裁判所が地主様の承諾に代わる許可を与える制度です。許可にあたっては、地代の変更や承諾料(財産上の給付)の支払いが命じられることもあります。

  • 借地非訟にはどのような種類がありますか?

    主に「借地条件変更の申立」「増改築許可の申立」「土地賃借権譲渡または転貸許可の申立」「競(公)売に伴う土地賃借権譲渡許可の申立」の4種類があります。いずれも地主様の承諾が得られない場合に、裁判所の許可を得て手続きを進めるためのものです。

  • 借地人が借地非訟を申し立てた場合、地主様は借地権を取り戻せますか?

    地主様には「先買権(介入権)」が認められています。借地権者が譲渡・転貸許可を申し立てた場合、地主様は自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受ける旨の申立てを行うことができ、裁判所が鑑定委員会の意見をもとに売買代金を決定します(借地借家法第19条3項)。

  • 借地非訟を申し立てる前に相談したほうがよいのでしょうか?

    借地非訟は時間と労力を要する反面、借地権者側・地主様側どちらにとっても大きなメリットがあるとは限りません。トラブルの多くは、双方の立場への理解不足や借地権・底地に関する知識不足、感情的な行き違いから生じています。将来の売却・建て替え・相続の際に同じ問題が再発することもあるため、非訟手続きに進む前に、まずは専門家へのご相談をお勧めします。

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